【Point1】 そもそもネイティブって何?

「ネイティブ翻訳」「ネイティブチェック」はどうして必要なのでしょうか。
実は翻訳会社によってその解釈は様々。そして提供されているサービス内容も様々です。

翻訳業界には「翻訳後の原稿をチェックする」というサービスがいくつかあります。例えば「翻訳をしてみたけどあまり自信がないので、ネイティブの人にきちんと通じるか確認してほしい。」というケース。また最近では、AI翻訳で訳した文章を人の手でチェック・修正をするというものもあります。

それでは、そもそも
『ネイティブって何でしょう?』

一般的な解釈としては「ある言語を母国語とする人」だと思います。日本語であれば基本的には日本人ですが、国籍がアメリカでも日本で生まれて20年間東京で暮らしている人も日本語のネイティブと言えるでしょう。国籍に関係なく、その言語を母国語として話すことができるという事です。では「母国語として話す」とはどのような状態を言うのでしょうか。

ある辞書によると「ネイティブ」の定義として
以下のような記載があります。
『a person who has spoken a certain language since early childhood』=幼児期からその言語を話してきた人

言語学者によれば幼時期~少なくとも児童期の頃からその言語を話していなければ、青年期(中学生くらいですね)程度から言語学習をしてもネイティブにはなれない、との事です。
時々、TOEICが満点(990点)の日本人の方がご自身のことをネイティブと表現される事がありますが間違いです。TOEICの点数には関係がありません。つまり、幼少期より慣れ親しんだ言語を話す人(=ネイティブ)によるチェックがネイティブチェックです。

具体的な作業としては、翻訳された文章が自然かどうかを読み、校正(修正)する作業です。そのため、一般的に認識されている「ネイティブチェック」は翻訳後の文章(訳文)のみを確認しチェックするものであり、翻訳前の文章(原文)との照らし合わせは行いません。よって、原文が正しく訳されているかどうかの作業は基本的には含まない場合が多いです。ここの定義が曖昧だとトラブルになりやすいです。
例えば、
日本語 : 私は鉛筆を持っています。
英語  : I have a pen.(私はペンをもっています)

この時翻訳された英文のみを見ると文法的には間違っていませんが、原文と比較した場合に翻訳としては誤りです。このように『英文が不自然ではないか(文法上の誤りがないかどうかのみ)』を確認する作業がネイティブチェックで、正しく翻訳されているかどうかはまた別の作業です。

しかし、セイルトランスでは、プロのチェック担当者が、訳文を原文と照らし合わせながらチェックを行う方法(クロスチェックといいます)』を「ネイティブチェック」と定義させていただいております。こうすることにより原文が忠実に翻訳されているか、文法的なミス等がないかをチェックすることが可能です。